Press "Enter" to skip to content
  1. >
  2. >
  3. 雨の日のブレーキ操作、ヒヤリとした体験談

雨の日のブレーキ操作、ヒヤリとした体験談

急ブレーキが招いた思わぬスリップ

ある梅雨の朝、出勤中に小雨が降るなかを走っていたときのことです。片側一車線の市道を法定速度で走行していたところ、交差点の手前で突然、前の車が右折を始めました。距離が思ったよりも近かったため、思わずフロントブレーキを強めにかけた瞬間、前輪がロック。次の瞬間には、タイヤがマンホールの上で横滑りを起こして、バイクごと転倒しました。

幸いにも大きなけがはなく、バイクのダメージもミラーの破損と軽い擦り傷で済みましたが、気持ちのショックは大きいものでした。このとき感じたのは、「止まれるだろう」という油断と、「急ブレーキが危険だ」という基本を忘れていたことへの反省です。

雨の日は路面が滑りやすいだけでなく、制動距離も延びます。とくにマンホールのフタや停止線、横断歩道の白線などは非常に滑りやすく、ブレーキ操作には細心の注意が必要です。この経験を経て、急なブレーキは避け、前後ブレーキをバランスよく使いながら減速することを徹底するようになりました。

視界不良と操作ミスの連鎖

ある日は、霧雨の中でのツーリング中に視界の悪さでヒヤッとした経験をしました。走行中、ヘルメットのシールドが曇ってきたのですが、すぐには対処できずに我慢して走行していたところ、カーブに差し掛かってブレーキのタイミングが遅れ、リアブレーキを強めにかけてしまいました。

その瞬間、後輪が少し流れて車体が斜めに傾き、一気にヒヤリとする状況に。幸いにも転倒には至らず、なんとか体勢を立て直せましたが、冷や汗の止まらない瞬間でした。この出来事で痛感したのは、視界の確保がいかに大切かということです。

それ以来、雨の日には曇り止め加工のあるシールドを使用し、湿気が多い日はなるべく曇り止めスプレーも併用しています。さらに、速度を落として余裕をもったブレーキングを心がけることで、操作ミスが起きにくい状況を作るようになりました。

雨の日だからこそ意識したい装備と準備

雨天走行時にブレーキ操作を安全に行うためには、装備と事前準備も欠かせません。まず、手元の操作感覚を鈍らせないためにも、防水性の高いグローブは必須です。また、レインウェアをしっかりと着込むことで、冷えによる判断力低下も防げます。筆者も以前、防水性の低い手袋で走って手がかじかみ、思うように操作できず焦った経験があります。

そして見落としがちなのがタイヤのチェックです。溝が少なくなっていたり、空気圧が低い状態では、ブレーキをかけたときのグリップ力が大きく低下。雨の日こそ、タイヤの状態がライダーの安全を左右します。転倒を経験してからは、雨の予報が出ている日は必ず走行前にタイヤとブレーキまわりを確認するようにしています。

また、焦っているときこそ慎重に行動することも大切です。信号が黄色に変わっても無理に進まず、ブレーキは早め早めに。そうした余裕のある運転が、雨の日にはとくに効果を発揮します。安全意識が薄れた瞬間にこそ、事故は起きるのだと実感する出来事が重なり、今では「転ばないこと」を最優先に考えた走行スタイルへと変わりました。