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電動キックボードの信号無視で事故未遂

免許不要で手軽に利用できる電動キックボードの光と影

シェアサービスの普及もあり、電動キックボードの利用者が増えています。
その背景には、昨年7月に改正された道路交通法によって、要件を満たせば運転免許なしで誰でも乗れるようになったことが挙げられます。

その結果シェアが拡大し、観光地を中心に自治体主導でレンタルサービスが導入される地域も増えています。
しかし、手軽で便利な反面、交通ルールを無視した危険な運転をする人もいるようです。
例えば、ある日の夜、京都市に住む男性が250ccバイクで交差点を右折しようとした瞬間に信号無視の電動キックボードが突如現れ、衝突寸前のヒヤリ体験をしたそうです。
「もし事故になっていたら、自分も過失を問われたのでは…」と不安になったといいます。

上述の事故未遂は、片側三車線の道路で発生しました。
信号が右折可になったのを確認した男性が曲がろうとした際、赤信号であるはずの左側から電動キックボードが進入してきたケースです。
相手の信号無視が原因であっても、以前は「大型車である」ことだけでバイク側に過失があると判断される事例もありました。

しかし、現在はそうではありません。
今回のケースでは、信号無視の電動キックボード側にほぼ100%の過失があると考えられます。
またバイクに傷がついた場合は、過失割合が争点になりうるものの、修理費用の請求も可能です。

なお、もしバイクが急ブレーキをかけて電動キックボードが転倒した場合、たとえ接触していなくても、バイク側にも救護や警察への報告義務が生じます。
道路交通法72条では、交通事故の発生に関与した運転者は、故意や過失がなくても救護措置義務・報告義務を負うと定められているためです。

バイクと電動キックボード事故の過失割合の判断

とはいえ、バイクと電動キックボードの事故では、どちらに過失があるかの判断が難しいのが現状です。
バイクの場合ドライブレコーダーがないことが多いので、電動キックボード側の過失を証明しにくいのがその理由です。

結局は周囲に気を配って運転する以外に自衛の策はないのですが、もしもの時に備え、防犯カメラの有無を確認しておくことも重要です。
防犯カメラが設置されている道路では、警察に映像を確認してもらい、民事上の賠償交渉においても有利になるかもしれません。

バイクとの接触事故未遂はほんの一例で、電動キックボードによる交通事故は多発傾向にあります。
今年の4月下旬には酒を飲んでレンタル電動キックボードを運転したとして、警察官が交通切符(赤切符)を切られるという事態も発生しています。
免許不要という気軽さが、交通ルールを守る緊張感を薄めているといえるのではないでしょうか。