タイミングを逃すと、思った以上にしんどくなる
ある春の日、県境を越える山道ルートを走っていたときのことです。気温もちょうどよく、ワインディングの続く快走路にテンションが上がっていたのですが、1時間半ほど走ったところでふと「ちょっと休みたいかも」と思いました。停まるタイミングを探しているうちに、気づけば10km以上走り続けていて、身体の疲れも少しずつ溜まっていたのだと思います。
山道は意外と「ここで停まりたい」と思える場所が見つかりにくく、コンビニも道の駅もない区間を走っていると、つい「もう少しだけ進もう」となってしまいます。でも、集中力が切れかけた状態でカーブが続く道を走るのは、あまりいい判断ではなかったと、今なら思えます。
結局、路肩が少し広くなった場所でバイクを停めて一息ついたのですが、風に当たりながら飲んだ水が思った以上に体に染みました。無理せず、もっと早く小休止を入れておけばよかったと、少し反省した出来事でした。
景色はいいのに、停まる場所がない不思議
このときに通った山道は、見晴らしのよい区間がいくつかありました。遠くに山並みが広がって、時おり視界がひらけるのですが、そういう場所ほど停車できる余地がないことが多いのも事実です。
「この先に展望台か、せめて待避所があるかも」と期待して走り続けたものの、そううまくはいきません。視界は開けても、道路脇はすぐガードレール、その先は崖ということもしばしば。気を取られて眺めに夢中になるのも危ないですし、思い切って安全な場所までスパッと割り切って走る判断も必要だと感じました。
もし次に同じようなルートを走るなら、事前にマップアプリなどで「ちょっと立ち止まれそうな場所」を見つけておくと思います。展望駐車場やトイレ併設の休憩所がひとつあるだけで、安心感が全然違うのだと、そのとき強く感じました。
休憩もツーリングの一部だと意識できた日
あの日の出来事は、「走ること」ばかりに意識が向いていた自分を振り返るきっかけになりました。山道では道そのものに集中しやすく、疲れていても気づかないまま進んでしまうことがあります。でも、しっかり休んで景色を見る時間があると、記憶にも残りやすくなるし、何より心の余裕が違います。
その後は、走行時間だけでなく「どこで休憩するか」もコースの一部として考えるようになりました。景色のいい場所でひと息ついて、写真を撮って、静かな空気を味わう。それが旅の楽しみでもあるんだと、ようやく腑に落ちた気がします。
何でもない山道で、ただ風に吹かれながらバイクを停めたあの数分。目的地よりも、そういう一場面の方が、あとからふと思い出されるのかもしれません。


